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アートの力で入院中の子どもたちに笑顔をーー「キッズアートプロジェクト」

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第一線で活躍するアーティストや専門家を講師に迎え、病気のために長期入院を余儀なくされている子どもたちにアート制作を楽しんでもらう「キッズアートプロジェクト」が、聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県川崎市)で実施されています。今回、実際に病院を訪れて、その素敵な取り組みを見せていただきました。

聖マリアンナ医科大学病院の小児科病棟で長期入院中の子どもたちには、白血病などの悪性腫瘍と闘っている子が多く、半年から1年以上の時間のほとんどを病院で過ごしているそうです。そんな子どもたちが少しでも楽しく過ごせる時間を作りたいという思いから、同病院の先生方を中心に2012年秋から始まったのが「キッズアートプロジェクト」です。

この10月で5回目となるワークショップは、先日の記事でご紹介した、ボールペン画アーティストの佐藤明日香さんを講師に迎え、みんなで白衣に絵を描こう!というもの。

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佐藤さんとさまざまなコラボレーションを行っているパイロットコーポレーションさんが企画の趣旨に賛同し、ゲルマーカークレオロールを無償提供。クレヨンよりも鮮やかな発色なのですが、水性顔料を使っているので、手や顔についても簡単に洗い落とせる画材です。

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佐藤さんが事前に描いた作品。これをお手本にします。

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お手本の作品を身につけて、ワークショップの講師を担当する佐藤明日香さん。

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プレイルームにやってきた子どもたち。早く描きたくてうずうずしている子も。

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佐藤さんの手ほどきで、みんなで白衣に絵を描いていきます。

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小さい子は看護師さんやママと一緒に。

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10月下旬ということもあって、ハロウィンのモチーフがたくさん描かれます。

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男の子たちは自分の世界にどんどん入り込んでいきます(笑)。

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好きなものを自由に描いていると、子どもたちから笑顔があふれてきます。

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白衣の背中や正面だけでなく、袖のところもキャンバス。男の子は笑顔というよりも、真顔で熱中している、といった印象(笑)。

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最初は真っ白だった白衣が、どんどんカラフルに、賑やかになってきました。

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完成した3着の作品。どれもテイストが違って面白いです。

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ちょっとディテールを鑑賞してみましょう。襟の形にマッチした、楽しい模様ですね。

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きちんとした形になっていなくても、子どもたちの喜びが伝わってきそうです。

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ハロウィンのモチーフがたくさん。

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大人が見ても、胸を打たれるメッセージです。

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笑顔・笑顔・笑顔。

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最後にみんなで記念写真。
子どもたちも、お母さんたちも一緒に楽しく過ごした1時間半はあっという間でした。
ただ、治療のピーク時などは苦痛が激しいため、体調の関係でワークショップに参加できなかった子どももいるそうです。

「日本では以前から、『病院はつらい治療に耐えながら病気を治す場所』という考えが主流で、欧米の病院のようにカラフルで楽しい空間があったり、さまざまなイベントが開催されたりと、入院中の子どもたちにエンターテインメントを提供するケースは多くありませんでした」
プロジェクトの中心メンバーの1人で、小児科の医師でもある勝田友博先生はこう話します。

「数ヶ月から1年以上の入院で、楽しいことが少ないと、子どもが厳しい治療に耐えきれなくなる恐れもあります。そこで、子どもたちに少しでも楽しんでもらって不安な気持ちを和らげ、家族の笑顔も増えていくようにと願って、プロジェクトを立ち上げたのです。ところが自分たちにはワークショップで子どもたちに上手に教えたり、雰囲気盛り上げたりといったノウハウがなかったので、やはりアーティストの方々のご協力を必要としていました」

最初は知人や元同級生などのつてを頼って講師をお願いしたそうです。今回の佐藤明日香さんのワークショップも、知人の紹介がきっかけでした。

「今回の講師のお話をいただいた時、ぜひ私にできることで子どもたちに喜んでもらいたいと思いました。パイロットさんにも支援をお願いしたら、快く画材を提供していただいて、本当に良かったです」と、佐藤さんは話します。

もし、各地で活躍するアーティストの得意分野や講師の実績、あるいはその動画などがもっと広くインターネットで共有されていれば、こうした活動がさらに充実し、新たな支援の繋がりを産んでいけるのではないかな、と思いました。

お話を伺った、勝田友博先生(左)と佐藤明日香さん。

お話を伺った、勝田友博先生(左)と佐藤明日香さん。

「キッズアートプロジェクト」では、ワークショップだけでなく、入院中の子どもたちの好きな時に絵を描いてもらっていて、集められた作品はWebサイト上のギャラリーで公開しています。活動は他の病院にも広がり、筑波大学附属病院や東京慈恵会医科大学附属病院でもワークショップなどを開催しているそうです。

「将来的には、アートの一部を全国の病院で展示したり、ポストカードなどのグッズや建物の壁にしたりと、さまざまな形で子どもたちの勇気に変えていきたい。ご理解や支援を下さる個人や企業、メディアの方も増えてきていて、本当に嬉しいですし、私たちもたくさんの刺激をいただいています」と語る勝田先生。11月2日(土)〜3日(日)に聖マリアンナ医科大学で開かれる学園祭「聖医祭」で、今回の白衣をはじめ、子どもたちの作品が展示される予定ですので、興味のある方はぜひ会場に足を運んでみて下さい。

■キッズアートプロジェクト
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佐藤勝

佐藤 勝Writer

ライター/編集者/何でも屋。Web、デザイン、映像、アート、観光などの記事執筆や、企業・団体のコンテンツ制作など、色々やらせていただいております。 INSPIでは、生活やビジネスに役立つものづくりの情報から、面白スポットやまちづくりまで、さまざまなテーマの記事をお届けします。
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