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レトロ建築も、インテリアも楽しめる公園!「江戸東京たてもの園」

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復元された歴史的建造物を中までじっくり見学できる「江戸東京たてもの園」に先日いってきました。とてもクリエイティブで楽しめるスポットでしたので、ご紹介したいと思います。

「江戸東京たてもの園」(東京都小金井市)は、JR中央線武蔵小金井駅からバスで約5分の小金井公園内にあります。
園内には、江戸時代から明治、大正、昭和の各時代の歴史的な建物が復元されています。30棟ある建物のほとんどが、外観を見るだけでなく実際に中に入って見学できるようになっています。

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写真は園内の「東ゾーン」。江戸・東京の下町に実在していた建物が復元されて立ち並びます。
まるで昭和初期の東京にタイムスリップしたかのような雰囲気ですね。

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明治初期に建てられた仕立て屋さん。町屋建築の雰囲気を色濃く残しています。

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内部は大正期の仕立て屋の様子を再現しているそうです。1階は3部屋あり、そのうち2部屋が仕事場。写真は居住スペースですが、仕事場に比べてとても狭いのが印象に残ります。

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1929年建造の「子宝湯」。昔の東京の銭湯の様子がよく分かります。銭湯がこのような風格ある佇まいになったのは、やはり人集めの目的があったとか。

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もちろん内部も見学できます。懐かしの番台や更衣室も、昭和そのもの。今ではこうした銭湯はずいぶん少なくなってしまいましたね。

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そして、お約束の富士山の壁画(!)。
お湯は張られていませんが、実際に湯船の中に入って、富士山の絵を眺めることができます。

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更衣室には、さるかに合戦をモチーフにした絵が何枚か掲げられていました。当時の銭湯も、かなりエンターテインメント性を追求していた場所だったんですね。

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こちらは明治初期に創業した文具屋「武居三省堂」。建物は昭和初期の1927年に建てられたものですが、もともと書道具を扱っていたこともあって、江戸時代のお店のような雰囲気ですね。

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銅板を組み合わせた壁面が特徴的な「丸ニ商店」。昭和初期に神田神保町に建てられたそうです。
このように、実際に東京の各地に建っていた特徴的な建物をそのまま移築・復元して、誰でも見られる展示にするというのは、とても面白いです。風雨にさらされながら、時代の変化を見守ってきた建物の醸し出す雰囲気は、展示用につくられたレプリカでは表現しきれないものです。

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この蒸し鍋、見たことありませんか? お店の売り物などは昭和10年代の様子を再現しているので、昭和初期の小物やインテリアがたくさん。昭和生まれの方は、子どもの頃の思い出がよみがえったりするかも知れませんね。

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建物以外の展示物もあります。こちらは、1960年代の都電の車両。渋谷〜新橋間を走っていたそうです。中に入って座席に座ることもできます。足を休めながら、東京の道路を電車が行き交っていた頃を想像するのも楽しそうです。

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園内の西ゾーンは、各時代の住居を見学できます。こちらは、戦前から開発されていた郊外住宅地・田園調布の家、「大川邸」で、1925年に建てられたもの。

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小さな応接室ですが、採光にも優れた美しい窓と、品のある調度品のレイアウト。「ああこんな家に住んでみたいなぁ」と思ってしまいます。

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建築家・前川國男氏の自邸です。戦争中の1942年に建てられているのですが、質素な木材を生かしつつ、洗練されたデザインの空間になっています。外観も特徴的ですが、内側も戦前の建築とは思えないほどモダンです。

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ここでも、キッチンのレトロなインテリアが目を楽しませてくれます。タイル張りのシンク周りは、古くても清潔感があり、女性も興味を引かれるのではないでしょうか。

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ひときわ目を引く形の建物ですが、実はこれ、写真館なのです。1937年、郊外住宅地の常盤台に建てられています。1階部分は住居、2階がスタジオになっています。

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階段を上るとすぐ、撮影スタジオがあります。当時は撮影用の照明設備が発達していなかったので、外から光を採り入れることができる大きな窓を備え、天井にもトップライトがあります。
これらの窓はすりガラスで、しかも北側を向いているため、直射日光が入らず、安定した採光ができるという工夫も。

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月に一度、実際にこの撮影で写真を撮ってもらえるイベントも開催しているそうです。レトロな家族写真を撮ってみてはいかがでしょう?

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この茅葺き屋根の農家「綱島家」は、江戸時代のもの。多摩川をのぞむ台地上にありました。
中は土間やかまど、いろりなどがあり、当時の農民の暮らしが偲ばれます。

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園内には、駄菓子屋コーナーをはじめ、美味しい手打ちうどんが食べられるお店や、洋館の一部を改装したカフェなどもあり、食事や休憩もできます。1日ゆっくり回って楽しめそうですね。

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要注目の期間限定イベントも。歴代の作品に登場する建築のデザインに焦点をあてた「ジブリの立体建物展」は、好評につき2015年3月15日まで会期を延長。お正月は1月2日から開園し、3日まではなんと入園無料。獅子舞や神楽などのイベントも行われるそうですので、冬休みにぜひ足を運んでみては。

江戸東京たてもの園は、歴史的建築のデザインや部屋づくり、レトロな家具や雑貨、おもちゃなど、さまざまな実物展示が充実しています。クリエイターの方はもちろん、家族連れやカップルなど、誰でも楽しめるスポットとしておすすめです。

但し、住居を見学する場合、ほとんどの建物で靴を脱いで上がる必要がありますので、冬場は足が冷えます。厚めの靴下をはくなど、防寒対策をしっかり整えてからお出かけ下さい!


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佐藤勝

佐藤 勝Writer

ライター/編集者/何でも屋。Web、デザイン、映像、アート、観光などの記事執筆や、企業・団体のコンテンツ制作など、色々やらせていただいております。 INSPIでは、生活やビジネスに役立つものづくりの情報から、面白スポットやまちづくりまで、さまざまなテーマの記事をお届けします。
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