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デザイン・アート

ニューヨークで注目、アーティストが自ら作るアートブック「ZINE」とは

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こんにちは。今回はニューヨークのアートの話題です。
といっても、美術館やギャラリーで展示されたアートではなく、アーティストが自ら作ったアートブック。「ZINE」と呼ばれることもあります。近年、日本のクリエイティブ界でも、アートブックを制作・販売したり、イベントを開いたりといったムーブメントが起こっていますが、その発祥といわれているアメリカで作られているアートブックを一部ご紹介したいと思います。

当ブログのインテリアの記事でもお伝えしましたが、先日、ニューヨークを訪れる機会がありまして、手作りアートブックを置いている店にぜひ一度行きたいと思っていました。調べてみると、マンハッタンのチェルシー地区にある「Printed Matter」というお店が、品揃えも豊富で良さそう。さっそく訪ねてみました。

Printed Matterの外観

Printed Matterの外観

店内はこんな感じ

店内はこんな感じ

フライヤーがベタベタと貼られたガラス。「15000 Books By Artists」の立て看板に、気持ちがワクワクしてきます。
店内は、さまざまなサイズやデザインのアートブックが所狭しと並んでいます。とても1日で見られるものではありません。きっちりと印刷・製本された立派な本もありますが、原稿をカラーコピーしたものを製本用のホチキスで綴じたもの、果てはチープな紙にモノクロコピーをして折り曲げただけのものなど、作り手の荒削りさが伝わってくるものが多いです。

小さめサイズの作品が並ぶ棚。どれも面白そうです。

小さめサイズの作品が並ぶ棚。どれも面白そうです。


印刷自体はモノクロですが、紙の色を工夫することでインパクト抜群の本に。中身もなかなかカオスでした(笑)

印刷自体はモノクロですが、紙の色を工夫することでインパクト抜群の本に。中身もなかなかカオスでした(笑)


穴の空いたチーズのようなデザイン。少部数・手作りだからこそ、個人クリエイターでもこんな本が出せるんですね。

穴の空いたチーズのようなデザイン。少部数・手作りだからこそ、個人クリエイターでもこんな本が出せるんですね。


チープな紙にモノクロコピーしただけの作品ですが、アートワークはとてもカッコ良いですね。

チープな紙にモノクロコピーしただけの作品ですが、アートワークはとてもカッコ良いですね。


こちらは、きちんと角背上製本として作られた作品。価格は意外と高くなかったです。

こちらは、きちんと角背上製本として作られた作品。価格は意外と高くなかったです。

いかがでしょう?ほんの一部ですが雰囲気を感じていただけたでしょうか。

世界中のクリエイターが成功を求めてニューヨークに集まってきていますが、ギャラリーを借りて個展を開いたり、出版社から写真集や作品集を出してもらうなんてことは簡単には実現しません。
それなら、自分でアートブックを作ってしまって、本屋に置いてもらったり自分で販売したりして、作品を多くの人に見てもらった方が、チャンスをつかめるきっかけも作りやすくなるのかも知れません。

さらに奥の方にも売り場が。著名なアーティストによる手作り本が、ショーケースに入って売られていました。

さらに奥の方にも売り場が。著名なアーティストによる手作り本が、ショーケースに入って売られていました。


レジの周りには豆本サイズのアートブックが。思わず手に取りたくなります。

レジの周りには豆本サイズのアートブックが。思わず手に取りたくなります。

また、アートブックの価格は、10ドルから40ドル以上までさまざまですが、印刷や製本がチープだから安いとか、ハードカバーだから高いというわけでもないようです。あくまで主役は作品の中身。価格はアーティストが決めた金額にお店の取り分を上乗せして決まるのでしょう。私も試しに、アートブックを2冊買って来ました。

「FOUND IN NEWYORK」という作品。なかなか仕上がりの良い製本です。

「FOUND IN NEWYORK」という作品。なかなか仕上がりの良い製本です。


中身は雑誌や新聞の写真や文字をコラージュしたアートワークになっています。

中身は雑誌や新聞の写真や文字をコラージュしたアートワークになっています。


手のひらサイズの作品「BARCODE MARILYN」。人物違いの別バージョンもたくさんありました。

手のひらサイズの作品「BARCODE MARILYN」。人物違いの別バージョンもたくさんありました。

ぱらぱらとめくっていくと、人物の顔が拡大していって…

ぱらぱらとめくっていくと、人物の顔が拡大していって…


その正体はバーコードだった!ただそれだけなんですが、何だかシュールな笑いを誘います。

その正体はバーコードだった!ただそれだけなんですが、何だかシュールな笑いを誘います。

ところで、膨大なアートブックを取り揃えるこのお店、誰でも作品を持ち込めば置いてくれるのでしょうか。このお店の店員さんに聞いてみると、「いや、アートブックなら何でも置くというわけではない。ここで販売する作品はきちんと選んでいるよ」とのこと。

こうしたアートブックの一部は「ZINE」と呼ばれ、ニューヨークでも専門書店がいくつかあるほか、イベントもさかんに開かれています。さっきの店員さんも、「『ZINE』はそのなかでも特に芸術性の高いものだ」と言っていました。これはアーティストが自分をダイレクトに表現する手段として、独特のカルチャーになりつつあるようですね。

実は以前、あるクリエイターの方から「ZINE」の作り方についてレクチャーを受けたことがありました。機会がありましたら、実際の「ZINE」の作り方についてもご紹介したいと思っています。


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佐藤勝

佐藤 勝Writer

ライター/編集者/何でも屋。Web、デザイン、映像、アート、観光などの記事執筆や、企業・団体のコンテンツ制作など、色々やらせていただいております。 INSPIでは、生活やビジネスに役立つものづくりの情報から、面白スポットやまちづくりまで、さまざまなテーマの記事をお届けします。
http://lamp-creative.com/

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