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デザイン・アート

ニューヨークの地下鉄で広告を観察する

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こんにちは。
今回はニューヨークの地下鉄で見かける広告のお話です。総延長1000km以上、468の駅があるニューヨーク市地下鉄は、さまざまな広告がひしめき合うニューヨークの街でも、重要な広告スペースの一つになっています。それらの広告をご紹介したいと思います。


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市民の生活の足、または世界中から集まる観光客の足として大活躍のニューヨーク市地下鉄。日本の地下鉄と同様に、改札内外の通路などにもたくさんの広告ポスターがあります。さっそく見てみましょう。

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今年4月からニューヨークで開催された「レッドブル・ミュージックアカデミー」の広告。バージョンやサイズもさまざまなものがあり、地下鉄の駅はもちろん、街頭にもたくさん掲示されていました。写真のように、傾斜のついて通路をうまく利用して、ポスターの組み合わせにリズムをつけていますね。
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ジンのブランド「Tanqueray(タンカレー)」の広告。お酒とともに過ごす、シックでステキな夜のイメージを、モノクロ写真とすっきりしたレイアウトで表現しているように思います。
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ニューヨークの現代美術専門の美術館、ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アートの展覧会を告知しています。殺風景な地下鉄のホームで、アート作品を全面に打ち出したビジュアルがひときわ目を引きます。
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階段も当然ながら広告スペースになります。こちらはギネスビールがスポンサーとなっているサッカーの国際大会「ギネス・インターナショナル・チャンピオンカップ」の広告。手すりによって3列に隔てられたスペースを上手に使って、ビールボトルのビジュアルとキャッチフレーズをレイアウトしています。

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次に、車両の中の広告を見てみましょう。ニューヨークの地下鉄の車内は、車種によって若干の違いはありますが、だいたい写真のような感じです。

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天井の照明に貼り付けられる、細長い広告スペース。これは急成長中の食品宅配代行サービス「seamless.com」の広告です。キャッチフレーズは、「暑さの厳しいキッチンでの調理という苦痛から、あなたを解放しますよ、といったメッセージが込められています。

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こちらはニューヨーク市当局による「NYC Recycles」の広告。ごみのリサイクルへの協力を訴える内容ですが、スペースを大きくとったシンプルなデザインで、アート作品のようなカッコ良さがあります。
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こちらもニューヨーク市当局による広告。「アメリカ社会で深刻な問題となっている、「10代の妊娠」がもたらすリスクや悪影響を訴えています。日本の場合だと「公共広告機構」などが出す広告に近い位置づけなのでしょうが、アメリカの場合はビジュアル表現も直球で、子どもの悲痛な表情が心を揺さぶります。
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ニューヨーク・フリーランサー組合への加盟を呼びかける広告。下に書かれているフリーランサー保険に入ってもらうのが目的なのでしょうね。クリエイティブな感覚に訴えかけるような、2色刷りのクールなデザインになっています。

さて、ニューヨークの地下鉄には他にもたくさんの広告スペースがありますが、こちらでもやや珍しい、列車のラッピング広告を目撃しましたのでご紹介したいと思います。
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ジーンズブランド・リーバイスのラッピング広告ですね。この広告、なんと、列車の内側までラッピングしているのです。
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ドアもシートも天井も壁も全て。モノクロの独特の世界観で電車を完全にジャックしています。まるで走るアートギャラリーのようなセンスの良さ。
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この列車を降りたホーム(42丁目・グランド・セントラル駅)の反対側には、ヒューレット・パッカードのラッピング列車が停まっていました。

日本の交通広告と違うなと思ったのは、情報をやたら詰め込むのではなく、ビジュアルと洗練されたデザインで、ここぞというところ(キャッチやビジュアルなど)で直球を投げてくる、といった印象です。日本と違って、ニューヨークの地下鉄はラッシュ時間帯に押しくらまんじゅうのような混雑はあまり発生しないため、広告も短時間で人びとに強く印象づけることがより重要になるのでしょうね。

ニューヨーク滞在も残りあと数日となりましたが、引き続き、現地で体験したデザインやアートをお届けしたいと思います。


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佐藤勝

佐藤 勝Writer

ライター/編集者/何でも屋。Web、デザイン、映像、アート、観光などの記事執筆や、企業・団体のコンテンツ制作など、色々やらせていただいております。 INSPIでは、生活やビジネスに役立つものづくりの情報から、面白スポットやまちづくりまで、さまざまなテーマの記事をお届けします。
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