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手作りアートブック「ZINE」を専門に展示販売する「MOUNT ZINE Shop」に行ってきました

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こんにちは。
先日から、手作りアートブック「ZINE」の魅力や、その作り方などを記事でご紹介してきましたが、東京都内でもZINEを販売する「MOUNT ZINE Shop」(マウントジンショップ)というお店があるとのこと。当ブログでもぜひご紹介したいと思い、さっそくお店にお邪魔してきました。

お店は古民家を改装した小さな複合施設の中。

お店は古民家を改装した小さな複合施設の中。

壁一面に、日本のアーティストの手によるZINEがずらりと並びます。

壁一面に、さまざまなアーティストの手によるZINEがずらりと並びます。

「MOUNT ZINE Shop」は、東急東横線 都立大学駅から徒歩約6分のところにある小さなお店。毎週木曜日〜日曜日の週4日営業ですが、日本でも数少ない、ZINEを専門に取り扱うお店の一つです。Webショップも併設し、全国どこからでも作品を購入できるのですが、やはり実際に手にとって作品内容を確かめてから購入できるのは魅力的です。

写真集、画集、絵本、読み物など、ジャンルや表現手段もさまざま。

写真集、画集、絵本、読み物など、ジャンルや表現手段もさまざま。

棚に並ぶ作品のサイズも綴じ方もさまざま。なかには、布にシルクスクリーンで刷ったり、サングラスやCDなどがオマケでついてきたりと、自由なアイデアの数々にびっくりしたり。形もデザインもさまざまですが、気軽に手に取りたくなるような、ハンドメイドならではの魅力があります。作品の価格帯はだいたい500円〜600円が中心で、気軽に購入できるものが多いようです。

布に直接プリントした作品「SHAWN&HUGO THE MONSTER」(和田悠加)

布に直接プリントした作品「SHAWN&HUGO THE MONSTER」(和田悠加)

ポップなテイストで可愛らしい作品。布の風合いに愛着がわいてきそうです。

ポップなテイストで可愛らしい作品。布の風合いに愛着がわいてきそうです。

「WYP vol.0 働きながらインドを探る」(WORLD YOUTH PRODUCTS)

「WYP vol.0 働きながらインドを探る」(WORLD YOUTH PRODUCTS)

製本もデザインもしっかり作った、本格的な情報誌になっています。

製本もデザインもしっかり作った、本格的な情報誌になっています。

おまけでピアスがついてくる「おしゃれ映画部」(左、たかはしきえ)と、 ペイントされたサングラスがついてくる「ここんところ」(右、角裕美)

おまけでピアスがついてくる「おしゃれ映画部」(左、たかはしきえ)と、
ペイントされたサングラスがついてくる「ここんところ」(右、角裕美)

「MOUNT ZINE Shop」代表の櫻井史樹さんのお話によると、お店にやってくるお客さんは20代〜30代が中心で、女性の方がやや多いそうです。出品しているクリエイターも女性が中心になっているとか。手作りの作品を好む女性たちの間でクチコミが広がっていて、遠方から買いに来る女性も少なくないようです。

「ZINEは冊子の形式をとってはいますが、本と雑貨の間のような存在というか、プロダクトに近いものなんだと思います。日本では、ニューヨークなどのように書店でZINEが販売されるようになるのはまだまだこれからだと思いますが、書店以外でも雑貨屋やカフェといったおしゃれな場所でも扱える可能性があると思います」と櫻井さんは話します。かわいい雑貨や小物を買って楽しむといったものの延長線上で、ZINEに興味を持つ人が増えつつある、ということなんでしょうかね。

大判サイズの新聞というフォーマットで作られた作品も。「BLANK MAGAZINE VOL.05 マダラグラム・ポッセカット」(BLANK MAGAZINE)

大判サイズの新聞というフォーマットで作られた作品も。「BLANK MAGAZINE VOL.05 マダラグラム・ポッセカット」(BLANK MAGAZINE)

櫻井さんがこうした活動を始めたのは2011年の春ごろ。「クリエイティブな表現の新しいフォーマットを広げて、クリエイターが自分を表現する場を提供したい」という思いを抱いていた櫻井さんは、以前から表現のフォーマットとしてのZINEの魅力に注目しており、ZINEの展示販売イベントを期間限定で開いたところ、大盛況に。
「実際にイベントをやってみたら、『ZINEを作る人も増えているし、見たい人もたくさんいるけれど、そうした場が少ないんだな、と気がついたんです。それで、常設で作品を見られる場所を作ろうと考えたのです」

現在では、定期的に展示・販売イベントを開催するほか、ZINEの作り方が学べるワークショップなども企画。ZINEを通じた海外のクリエイターとの交流にも取り組んでいて、最近では韓国・ソウルにあるアートスペース「KT&G サンサンマダン」との共同企画で、日韓双方のクリエイターによるZINEの展示イベントを開催しています(8月11日まで開催中)。

アーティストの作品の世界観を絵本にした「その水玉がみえたなら」(もりかなえ)

アーティストの作品の世界観を絵本にした「その水玉がみえたなら」(もりかなえ)

ご本人はアイスについてくる木のスプーンを使って作品を制作するアーティスト。その作品たちを上手に絵本のモチーフにしています。

ご本人はアイスについてくる木のスプーンを使って作品を制作するアーティスト。その作品たちを上手に絵本のモチーフにしています。

最後に、櫻井さんの考えるZINEの魅力について聞かせてもらいました。
「ZINEには明確なルールがなく、作りたいものを自由に表現していいものです。気軽に始められる代わりに、ハンドメイドゆえに量産が難しく、これだけで大きな収益を生み出すのは難しいのですが、人びとが気軽に手に取ることのできるZINEを通じて、作り手の活動をみんなに知ってもらえるきっかけを作ることができます。言わば、コミュニケーションのツールという役割も持っているわけです」

クリエイターと読者、あるいは国境を超えてクリエイター同士をつなぐ「場」を提供する「MOUNT ZINE Shop」。時期はまだ未定ですが、今後も作品募集を行う予定とのこと。秋には展示イベントが予定されているそうです。ZINEに興味のある方、あるいは作ってみたいと思う方は、ぜひ一度のぞいてみていただきたいです。

■「MOUNT ZINE Shop」
152-0023 東京都目黒区八雲2-5-10
(東急東横線 都立大学駅から徒歩約6分、複合スペース[890]内)
木〜日の12:00-19:00オープン。
http://mountzine.com/


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佐藤勝

佐藤 勝Writer

ライター/編集者/何でも屋。Web、デザイン、映像、アート、観光などの記事執筆や、企業・団体のコンテンツ制作など、色々やらせていただいております。 INSPIでは、生活やビジネスに役立つものづくりの情報から、面白スポットやまちづくりまで、さまざまなテーマの記事をお届けします。
http://lamp-creative.com/

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