デジタルカタログの「ページめくり機能」、一体何のためにあるの?
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インターネット上で公開されているデジタルカタログの多くに、ページを移動した時に紙が「めくれる」アニメーションが見られます。デジタルなのに何でわざわざ紙の動きを再現する必要があるのか? スマートフォン・タブレット向けの電子書籍が普及し始めた頃から、よく議論されたテーマですが、今回はデジタルカタログでの役割や意義に焦点を当てて考えてみたいと思います。
■どちらのページに進んでいるか、直感的に分かる
紙のカタログをめくる時、人は指で紙をつまんだり、指を押し当ててスライドさせたりしてページをめくっているはずです。
ほとんどのデジタルカタログは、ページを移動する操作を行うと、ページがめくれる動作を再現した機能が実装されています(なかには、デジタルカタログを作成する際に、ページめくり機能をオン/オフできるものもあります)。
もし、この動作がない場合、どういうことが起こるかというと、ページを移動した時に、ぱっと見て前に進んだのか、後ろに戻ったのかが分かりにくくなるのです。特に、似たようなデザインのページだと、ちゃんとページが進んだのかどうか一瞬わからず戸惑う可能性もあるでしょう。
そんな時、ページめくりの動作があるだけで、直感的にページが進んだか、あるいは戻ったかが分かるようになります。
ただ、ページの進む・戻るが分かる動作でいえば、必ずしも「めくる」表現でなければならない、というわけではありません。他にも、「ページ自体をスクロールさせる」、といった実例もあります。
(出典:http://www.sangetsu.co.jp/digital_book/curtain/)
これはこれで、分かりやすいですね。スマートフォンやタブレットなどでは、指のスワイプ操作でページを移動するケースが多いでしょうから、実は「ページめくり」動作よりもスクロールの方がぴったり来るのかも知れません。
■コンテンツが「冊子」であることが分かる
では、他に「ページめくり」動作のメリットはあるのでしょうか?
もう一つ考えられるのは、閲覧しているコンテンツが「冊子」であることが直感的にわかる、という点でしょう。
(出典:http://www.oita-ebooks.jp/)
観光案内やイベント告知などを電子化したデジタルカタログは、一見するとチラシなのか冊子なのか区別がつかない場合があります。そんな時、ページをめくる動作があると、「ああ、これは何ページかの冊子なんだな」と、読者に認識してもらうことができます。
また、ページが「めくれる」動作をしているのを見た人は、そのコンテンツが「印刷物」なんだと認識しやすくなります。すると、欲しい情報が見つかるまで、順番にページをめくっていくような使い方をしてくれる可能性は高まるはずです。「検索機能や目次機能を使わず、より多くのページを見てもらえる」という可能性も、少しは期待できるかも知れませんね。
■「自動めくり」で、デジタルサイネージとしても使える
また、ページめくり機能に加えて、「自動めくり」機能がついているサービスを使えば、カタログや宣伝用スライドなどをデジタルカタログ化して、自動再生させることで、簡易的なデジタルサイネージとして使うこともできます。
(出典:http://www.55shingaku.jp/hands/book/gogos2015081901/)
ディスプレイに全画面表示させたカタログを自動めくりさせておく方法は、写真のスライドショーなどで使われる「フェード」や「スワイプ」などの動作と違って、紙芝居のように資料を次々と見せていくのに向いている動きです。店舗やショウルーム、あるいは商談会・展示会などのイベントブースにおいて役立つ機能と考えられます。
ここまで書いてみると、デジタルカタログの「ページめくり」機能はかなり地味というか、ないと困るというほど重要なものではありませんね…。
でも、この機能があることで、閲覧がちょっと快適になったり、ユーザーに違和感やイライラを感じさせないで済む、といった効果はあります。
■作り手の「こだわり」が出る部分かも?
私たちのebook5も、PCのブラウザで閲覧する場合は、ページめくりの動作がついてきます。
キーボードの方向キーの左右、あるいはページの端をクリックすると即座にページがめくれますし、ページの端からドラッグ操作すると、マウスの動きにページの端がついてきます。わりとリアルな紙のめくれ方を再現していると思いませんか? (実際にPCから閲覧して、触ってみて下さい→写真のサンプルはこちら)
もちろん、そこまでのリアリティがなくても、デジタルカタログの閲覧が不便になるということはありませんが、このあたりは、もはや作り手の「こだわり」や「遊び心」の領域なのかも、と思えてきます。
ebook5の姉妹サービスである、電子チラシ配信の「fly5」でも、チラシをめくる動作にはこだわりがあって、HTML5でリアルな紙の動きを再現するために、モーションキャプチャも使っています。
「fly5」のモーションキャプチャ撮影 from Luler inc. on Vimeo.
完成した「めくり」動作↓
from Luler inc. on Vimeo.
チラシを裏返す動作を画面上で再現する場合は、かなり分かりやすく表現しないと、直感的に伝わりにくいでしょうから、リアルな紙の動作を追求した「ページめくり」は、電子チラシの場合はさらに大きな意味がありそうですね。
多くの方はあまり気に留めることのない「ページめくり」動作ですが、読者の利用体験を左右する要素の一つであることに間違いはありません。この機会にいろいろな事例を見てみてはいかがでしょうか?
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