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ebookとは。電子書籍の歴史を紐解いてみました!

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ebookって、電子書籍のことなの?

デジタルカタログや電子チラシなど、最近では用途によって様々な呼ばれ方をするようになった「ebook(イー・ブック)」。インターネットで「ebookとは」と検索してみると、検索結果のほとんどが「電子書籍」についての説明ページです。Googleでは、「ebook」と「電子書籍」は同義として扱われていることがわかりますね。

さて、この「ebook」ですが、弊社提供のデジタルカタログサービス「ebook5」の語源となった言葉です。ただし「ebook5」は今後はカタログやパンフレット作成サービスとしての発展を予定しておりますので、厳密に言えば「電子書籍」とは少しベクトルが変わってきます。
しかしながら、電子書籍市場が確立していなければ、こういったサービスもそもそも起こり得なかったかもしれません。
ですので今回は、ことの始まり、「電子書籍」の歴史を紐解いてみたいと思います。

電子書籍の普及の歴史

電子書籍の始まりは、いったいどれくらい前のことなのでしょうか? 実はそれは、30年近くも昔に遡ります。

国内最初のデジタル書籍だと言われているのは、ズバリ「辞書」でした。1985年、三修社から刊行された「最新科学技術用語辞典」。今とは違い、オンライン環境が整っていなかった当時、大量なデータを配布するためにCD-ROMが使われていました。そこに着目したのが、ソニーです。ソニーは1990年、CD-ROMを利用した「Data Discman」なる商品を発売、世界初のデジタルコンテンツ専用リーダーでした。
これがきっかけとなり、他のメーカーが電子書籍リーダーを販売しましたが、結局は「読みにくい」「快適ではない」こともあって、大きなブームとなることはなかったようです。

流れが変わり始めたのは、やはりインターネットの普及が本格的になった1990年代後半でしょう。PCがブラウザを標準装備するとともに、オンライン上での電子書籍購入、閲覧する仕組みが定着して来ました。1996年に開始された「電子書店パピレス」を皮切りに、電子書籍を提供するサービスがどんどん登場します。文芸書やコミックなどそれぞれの得意分野を開拓し、徐々にユーザー数も増加していきました。2000年代に入ると、その流れはパソコンのみならず携帯電話(フィーチャーフォン)にも受け継がれます。高速通信の実現や、パケット定額料金制の導入により、その動きはより活発になったのではないでしょうか。携帯アプリとして専用のビューアも提供されるようになりました。日本は携帯電話が独自の進化を遂げていることもあり、2009年には、日本の電子書籍市場の89%を占めるまでになったのです。

一方、時を同じくして2007年、アメリカではAmazonが「Kindle」を発売しました。長年オンライン書店を運営してきた実績を生かし、豊富なコンテンツや低価格、洗練された機能などを実現するに至ったのです。一瞬にしてブームを引き起こし、アメリカでの電子書籍市場は大きく広がりました。それまでは発行部数で後塵を拝していたにもかかわらず、その日本をはるかに超えた巨大市場へと成長しています。
そうして2010年、日本でもAppleが「iPad」を発売しました。iPadの登場に伴い、今まではふるわなかったiPhoneの電子書籍機能も注目を集め始めます。もちろん、日本企業でも電子ブックリーダーやタブレットなどあらゆる端末の発売が開始されました。電子書籍にかかわる協議会なども設立され、ようやくデジタル端末での読書が一般化することになります。

日本の電子書籍元年と言われるこの年、今まで浸透が遅れていたスマートフォンの爆発的な普及とも重なり、現在の電子書籍ブームへの大きな礎が築かれたのです。

多様化する電子書籍サービス

さてebookの歴史について語ってきましたが、最後に「形式」について触れてみたいと思います。
コンテンツを電子化するにあたり、最も身近なのはやはり「PDF」かと思います。PDFは紙の書籍をそのままの見た目で電子化することができ、手間やコストもかかりません。それでは何故、デジタルコンテンツとしてオンラインに掲載する時、ebookの形態を選ぶユーザーが増えているのでしょうか。

それは、受け手側へ与える「印象」が非常に重要な役割を担っているからです。紙媒体の再現性は高いPDFでも、ユーザーが求める「見やすさ」や「わかりやすさ」を補い切れているとは言えません。つまり、紙の書籍をそのまま電子化することが、理想的なデジタルコンテンツの見せ方であるとは限らないのです。
伝えたい情報をどのように目立たせるか、強いインパクトを与えるかという課題は、電子カタログ・書籍であっても、実際にはWebサイトの魅せ方に繋がる部分が多くあります。
せっかく文字の拡縮や動きをつけることができるサービスなのですから、一番効果的な表現を選択した方が良いに決まっています。

たとえば文芸誌や学術書など文字数の多いコンテンツでは、端末の画面サイズによってレイアウトが可変するタイプ、パンフレットやカタログなどの視覚的な印象が大切なコンテンツでは、デザインを美しいままで表現できるビューア重視タイプなど、用途によって策定していけるのです。

現在、紙の本からデジタルコンテンツへの変換が一般的になりました。快適な閲覧が困難だった過去とは違い、ブロードバンドの発展やさまざまな表現方法や配信形式によって、ebookは目覚ましい変化を遂げています。その引き金となったのは技術の進化はもちろんありますが、サービスの送り手も受け手もebookを必要とし始めたことに他なりません。

元はFLASHでの表現が一般的だった電子書籍サービス。しかし時代の移り変わりとともに、マルチデバイス対応や、表示速度を求められるようになりました。そうした新しいニーズに答えるべく登場したのが、「HTML5」で動作するebookです。場所や端末を選ばずに閲覧できる上、今まではFLASHでしか実現できなかった機能を搭載することも可能になったこの新技術は、ユーザーが求め続けた結果、必然的に誕生した技術ともいえるのではないでしょうか。

自身が配信したい内容によって、ぴったりの表現が選べることは非常に重要です。今後も、より一層付加価値をつけたサービスが登場することでしょう。電子書籍の前進は、まだまだ始まったばかりなのです。

この記事のまとめ

  • ・電子書籍の始まりは約30年前、CD-ROM形式でのデータ配布だった
  • ・日本では電子書籍は携帯市場が約9割を占めていた
  • ・「iPad」の登場により、日本でも様々な電子書籍端末・サービスがスタートした
  • ・電子書籍の変換サービスは請負型からユーザー作成型へと変化
  • ・デジタルコンテンツは必ずしも紙媒体と同じ表現ではなく、目的に合ったデザインやレイアウトが大切
  • ・電子書籍は、市場の要求に合わせ更に進化を続けている


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