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電子カタログとは?目的に合わせたサービスの違いを知って賢く活用しよう

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電子カタログとは、紙のカタログやパンフレットなどの印刷物を、Web上で閲覧できる形にしたコンテンツのことです。PDFや画像をもとに、ページをめくる操作でブラウザから読めるようにしたものを指します。

呼び方は「電子ブック」「デジタルブック」「デジタルカタログ」など複数あり、指しているものはほぼ同じです。提供のされ方にはクラウド型・ダウンロード型・インストール型があり、どれを選ぶかで運用の手間もコストも変わります。

この記事では、電子カタログの定義から、PDFとの違い、サービスの種類、選び方までを整理します。あわせて、2026年に新しく加わった選定軸である「生成AIに読まれるかどうか」についても触れます。

もくじ

  1. 電子カタログとは
  2. 電子カタログとPDFの違い
  3. 電子カタログの種類(提供形態)
  4. 電子カタログでできること
  5. メリットとデメリット
  6. 導入目的別の使いどころ
  7. サービスの選び方 5つのチェックポイント
  8. 2026年の新しい選定軸「AIに読まれるか」
  9. よくある質問
  10. まとめ

電子カタログとは

電子カタログとは、紙のカタログやパンフレットなどの印刷物をWeb上で閲覧できる形にしたコンテンツです。多くはHTML5などの技術で作られており、紙の本のようにページをめくる操作ができます。スマートフォン、タブレット、PCのいずれからでも、専用アプリを入れずにブラウザだけで閲覧できるものが主流です。

もとになるデータはPDFや画像です。すでに印刷用に作ったPDFがあれば、それをアップロードするだけで電子カタログにできるサービスが多く、新たに誌面を作り直す必要はありません。

近年は、紙のカタログを刷らずに電子カタログだけで運用する企業も増えています。配布コストがかからず、内容の差し替えもすぐに反映できるためです。

電子ブック・デジタルブック・デジタルカタログとの違い

結論から言うと、これらはほぼ同じものを指す呼び方の違いです。明確な業界標準の定義があるわけではありません。

呼び方 よく使われる文脈
電子カタログ 商品カタログやパンフレットなど、販促物のデジタル化を指すことが多い
電子ブック/デジタルブック 広報誌、社内報、ディスクロージャー誌など、冊子全般に使われる
デジタルカタログ/Webカタログ 電子カタログとほぼ同義。Web公開を強調したいときに使われる
電子書籍 上記とは別物。書籍の販売・配信を指し、EPUBなど専用の形式とストアが前提

なお、ページをめくるエフェクトは電子カタログの必須要件ではありません。縦スクロールで読ませるタイプもあります。めくり機能が何のためにあるのかについては、デジタルカタログの「ページめくり機能」、一体何のためにあるの?で詳しく解説しています。

電子カタログとPDFの違い

「PDFをそのままWebサイトに置けば済むのでは?」と考える方は多いと思います。実際、PDFは無料で作れますし、今はブラウザでそのまま開けるので不便を感じにくくなりました。

では、あえて電子カタログにする理由はどこにあるのか。主な違いを整理します。

項目 PDFをそのまま公開 電子カタログ
表示までの待ち時間 Web用に最適化されていない場合、ファイル全体の読み込みを待つことがある 表示中のページから順に読み込む方式が一般的で、待ち時間が短い
スマートフォン 端末やアプリによって表示や操作感が変わる ブラウザ上で共通の操作性を提供できる
アクセス解析 ファイルがクリックされた回数などにとどまる ページ単位の閲覧数や滞在時間まで計測できる(サービスによる)
更新 ファイルを差し替えて再アップロード。旧版が残るリスクがある 管理画面から差し替え。URLは変わらない
閲覧制限 パスワード設定など、限定的 ID/パスワード、IP制限、公開期間の設定など(サービスによる)
検索エンジン・生成AI ファイルとして扱われる Webページとして扱われる。ただし実装によって読み取られ方が変わる(後述

とくに表示速度は軽視されがちですが、開くまでに待たされたユーザーはそのまま離脱します。手元のPDFが重いと感じている場合は、PDFが重い、開かないを解決!サクッとファイルを軽くする3つの方法もあわせてご覧ください。

PDFと電子カタログの表示速度の違いを示した比較イメージ

電子カタログの種類(提供形態)

電子カタログのサービスは、どこに公開するかで大きく3つに分かれます。ここを取り違えると、あとから運用コストが合わなくなります。

形態 公開場所 費用の考え方 向いているケース
クラウド型
(ASP・SaaS)
サービス事業者のサーバー 月額または年額。サーバーの準備・保守が不要 更新頻度が高い/すぐ始めたい/情シスの手を借りずに運用したい
ダウンロード型 自社サーバー 1冊ごとの買い切りや都度課金が中心。設置作業が発生 自社ドメインで公開したい/イントラネット内に置きたい
インストール型 自社サーバー 導入費用が大きく、保守も自社負担 大量に運用する/社内システムと連携させたい

クラウド型(ASP・SaaS)

アップロードすればそのまま公開できる形態です。サーバーの用意もソフトのインストールも要りません。更新のたびにファイルを配り直す必要がなく、差し替えれば即座に反映されるのが最大の利点です。

一方、公開先が事業者のドメインになることが多いため、自社ドメインでの公開が必須の場合は事前に確認が必要です。

ダウンロード型

作成したデータ一式をダウンロードし、自社サーバーに設置して公開します。自社ドメインで公開でき、イントラネット内にも置けます。

注意点は更新です。修正のたびに再作成して差し替える手間が発生するため、頻繁に内容が変わる資料には向きません。「最新版はどれか」「差し替えは済んでいるか」の確認コストが積み上がります。

インストール型

自社サーバーにシステムそのものを導入する形態です。カスタマイズの自由度が高く、社内の他システムとの連携もしやすい反面、導入費用と保守負担が大きくなります。運用する冊数が相当多い場合に検討する選択肢です。

費用は「何に対して課金されるか」で見る

料金体系はサービスによってかなり違います。金額そのものより、何を単位に課金されるかを先に確認してください。

  • 冊数課金/作った冊数、または公開中の冊数で決まる
  • 容量課金/アップロードしたデータ量で決まる
  • 作り放題/定額で冊数無制限。ただし月額の下限が高めになる傾向
  • 初期費用の有無/月額が安くても初期費用が別途かかる場合がある
  • 転送量の上限/閲覧数が伸びたときに追加費用が発生しないか

1冊だけスポットで公開したいのか、毎月何冊も出すのかで、最適な体系は変わります。

電子カタログでできること

ページ単位のアクセス解析

オンラインで公開するなら、どのくらいの人がどのページに関心を持ったかを知りたいところです。PDFでは「ファイルが何回クリックされたか」程度しか分かりませんが、電子カタログではもう一段細かく見られます。

訪問者数、ページビュー、平均滞在時間、離脱率、閲覧デバイス、参照元といった基本指標に加えて、サービスによってはページめくりの回数や、誌面に設定したリンクのクリック数まで計測できます。どのページで読者が離脱したかが分かれば、次号の構成を変える根拠になります。

電子カタログのアクセス解析画面でページごとの閲覧数を確認しているイメージ

ヒートマップ

数値の羅列が苦手な方や、社内・クライアントへの報告に使いたい方には、ヒートマップを備えたサービスが有効です。読者がどのエリアを拡大したか、どこをタップしたかが色の濃淡で見えるので、関心の集まった箇所が一目で分かります。

閲覧制限

クラウド型は公開が簡単な反面、URLを知っていれば誰でもアクセスできる状態が初期値です。社外に出したくない資料を扱うなら、次のような制限機能があるかを事前に確認してください。

  • ID/パスワードによる認証
  • 特定のIPアドレスからのみアクセスを許可
  • 検索エンジンへの掲載を防ぐ設定
  • 公開期間の設定(期間外は自動で非公開)

全文検索・リンク・動画

誌面のテキストを検索できる機能があると、ページ数の多いカタログで目的の情報にすぐ到達できます。誌面上に外部サイトへのリンクや問い合わせフォームへの導線を置いたり、動画を埋め込んだりできるサービスもあります。

メリットとデメリット

メリット

  • 配布範囲が広がる/郵送や手渡しでは届かなかった相手にも、URLひとつで届く
  • 印刷・配送コストが下がる/部数を気にせず公開できる
  • 読者の反応が数字で見える/どのページが読まれたかが分かる
  • 更新が早い/差し替えれば全員が最新版を見る状態になる
  • 保管場所が要らない/過去の号もオンラインで探せる。原本を出し入れせずに済むので劣化も防げる

デメリット

正直に書きます。電子カタログにも向き不向きがあります。

  • 紙の一覧性にはかなわない場面がある/大判の図面や、見開きで広く俯瞰したい誌面はスマートフォンだと読みにくい
  • ランニングコストが発生する/クラウド型は公開し続ける限り月額がかかる
  • 元データの品質に左右される/解像度の低いPDFは拡大に耐えない。テキストが画像化されていると検索もできない
  • 公開しただけでは読まれない/URLを知ってもらう導線を別途つくる必要がある

とくに最後の点は見落とされがちです。作ることが目的化しないよう、誰にどうやって届けるかを先に決めてから着手することをおすすめします。

導入目的別の使いどころ

紙媒体が大量にある

導入理由として多いのが、会社やサービスの資料が蓄積しすぎているケースです。パンフレットやカタログはもちろん、広報誌のように定期発行される冊子は冊数が増え続けます。

紙は保管に場所を取り、過去の資料を探すのも手間がかかります。時間とともに劣化するため、原本を良好な状態で残したいなら頻繁な出し入れは避けたいところです。電子化しておけば、劣化も検索の手間も回避できます。

社内資料をオンラインで共有したい

社外秘の資料やマニュアルなど、特定の人にだけ見せたい用途にも使えます。

イントラネットにPDFを置く方法もありますが、更新が頻繁だと「最新版はどれか」「差し替えは済んだか」の確認に時間を取られます。クラウド型なら差し替えと同時に反映されるので、この確認作業自体がなくなります。

ただし前述のとおり、クラウド型は初期状態ではURLを知る人全員がアクセスできます。社内限定で使うなら、閲覧制限機能の有無を必ず先に確認してください。

営業資料として手元から渡したい

商談後のフォローや問い合わせへの返信で、重いPDFを添付する代わりにURLを送る使い方です。相手はメールソフトの制限を気にせず開けますし、送信側は「開かれたかどうか」を把握できます。

サービスの選び方 5つのチェックポイント

  1. 公開場所は自社ドメインである必要があるか
    必須ならダウンロード型かインストール型、こだわらないならクラウド型が手軽です。
  2. 更新の頻度はどのくらいか
    月に何度も差し替えるなら、更新の手間が少ないクラウド型が有利です。
  3. 閲覧を制限する必要があるか
    ID/パスワード、IP制限、公開期間の設定に対応しているかを確認します。
  4. どこまで解析したいか
    ページ単位の閲覧数で足りるのか、ヒートマップまで必要かで選択肢が変わります。
  5. 何を単位に課金されるか
    冊数か容量か定額か、初期費用や転送量の上限はどうか。運用の規模を想定して比べます。

このほか、実際に自分のPDFをアップロードして表示を確かめられるか(無料トライアルの有無)も、判断材料として大きいポイントです。

2026年の新しい選定軸「AIに読まれるか」

ここ数年で、電子カタログの選び方に新しい観点が加わりました。生成AIが情報源としてWebページを読むようになったことです。

ユーザーがChatGPTやGeminiに「◯◯社の製品仕様を教えて」と尋ねたとき、AIは公開されているWebページを読んで答えます。自社の製品情報が電子カタログにしか載っていない場合、そのカタログをAIが読めるかどうかが、回答に登場できるかどうかを左右します。

読めない場合がある理由

電子カタログの多くは、JavaScriptで誌面を組み立てて表示しています。この方式では、サーバーが最初に返すHTMLに誌面のテキストが含まれていないことがあります。

検索エンジンのクローラーや生成AIは、基本的にサーバーが返したHTMLを読みます。そこに本文がなければ、人間の目には見えているテキストでも、AIからは存在しないのと同じ扱いになります。

自分で確かめる方法

難しい知識は要りません。ブラウザで電子カタログを開き、右クリックから「ページのソースを表示」を選んで、誌面に書かれている文章の一部を検索してみてください。

  • 見つかる/サーバーが返すHTMLに本文が入っている状態です
  • 見つからない/表示はJavaScript任せで、HTMLには本文がない可能性があります

導入を検討しているサービスのサンプルブックで試せば、比較の材料になります。

あわせて確認したい項目

  • クローラーの受け入れ設定/robots.txtでAIのクローラーを一律に拒否していないか
  • 機械可読テキストの提供/Markdownなど、AIが読みやすい形式のテキストが用意されているか
  • ページごとのURL/「◯◯について書かれているのは何ページか」に答えられる構造か
  • 構造化データ/ページの内容が機械にも分かる形で記述されているか

この観点で主要サービスを実際に測定した調査を公開しています。判断の材料としてご覧ください。

【調査レポート】その電子カタログ、AIは読めますか?──電子ブック主要4サービスのAI可読性を実測調査

よくある質問

電子カタログと電子ブックの違いは何ですか?

明確な定義の違いはなく、ほぼ同じものを指す呼び方の違いです。商品カタログやパンフレットには「電子カタログ」、広報誌や社内報には「電子ブック」が使われる傾向がありますが、厳密な使い分けではありません。なお「電子書籍」はこれらとは別で、書籍の販売・配信を指します。

PDFがあれば電子カタログは不要ではありませんか?

用途によります。閲覧できれば十分ならPDFで足ります。表示速度を短縮したい、ページ単位で読まれ方を把握したい、更新のたびの差し替え作業をなくしたいといった要件があるなら、電子カタログを検討する価値があります。

無料で作れますか?

無料プランや無料トライアルを用意しているサービスがあります。ただし無料の範囲は、公開できる冊数、ページ数、広告表示の有無などで区切られているのが一般的です。実運用に足りるかは事前に確認してください。無料で使えるツールについては無料で作れる電子カタログサービスってあるの?お手軽フリーソフト3選で紹介しています。

スマートフォンでも見られますか?

主流のサービスはブラウザだけで閲覧でき、アプリのインストールは不要です。ただし操作性はサービスによって差があるため、実際のサンプルをスマートフォンで開いて確かめることをおすすめします。

社内限定で公開できますか?

できます。ID/パスワード認証、IPアドレス制限、検索エンジンへの非掲載設定、公開期間の設定などが用意されているかを確認してください。これらの機能はサービスやプランによって対応が分かれます。

作るのにデザインの知識は必要ですか?

不要です。多くのサービスは既存のPDFをアップロードするだけで作成できます。誌面そのものを作るところから始める場合は別途デザインが必要ですが、すでに印刷用データがあるなら、そのまま流用できます。

生成AIに読まれるかどうかは、どう確認すればよいですか?

ブラウザで「ページのソースを表示」を開き、誌面のテキストがHTMLに含まれているかを検索するのが最も簡単な方法です。含まれていない場合、AIやクローラーからは本文が見えていない可能性があります。

まとめ

電子カタログとは何か、という問いは技術的には簡単に答えられます。印刷物をWeb上で読める形にしたもの、それだけです。

けれど実際に自社へ導入するとなると、公開場所、更新頻度、閲覧制限、解析の深さ、課金の単位と、決めるべきことがいくつも出てきます。大事なのは、電子化そのものを目的にしないことです。誰に何を届けたいのかを先に決めれば、必要な機能はおのずと絞れます。

そして2026年は、そこに「AIに読まれるか」という軸が加わりました。カタログに載せた情報を、これから誰が読むのか——人間だけとは限らない、というのが現在地です。目的を叶えられるサービスを選ぶための材料として、この記事が役立てば幸いです。

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